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国循サザン事件―0.1%の真実―

国循官製談合事件の容疑者として起訴された桑田成規さんを支援します

国循官製談合事件 第2回公判を振り返るその4

桑田さんと支援する会メンバーが公判を振り返って対談し、その内容を公開する「公判を振り返る」。

 
今日は第2回公判を振り返るその4です。
「仕様書の作成を誰がするのか?」について、大変重要な部分の復習になります。

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仕様書の作成は誰が?

 
N)基本的には仕様書は契約係(調達企画室内)が作成するとありましたが、例外があるという説明もありました。
医療機器やシステムのことなど、専門的な内容のものは調達を願い出ている現場で仕様書も作成するということですか?
桑田)いえ,仕様書の作成はあくまでも契約係が行うのが原則です。前回の公判では,現場に「任せていた」という西田氏の証言がありましたが,本来,自分達でやるべき職務を勝手に他人に任せることはできません。
N)それはどうしてですか?
桑田)役割分担をするからこそ,調達(入札)の公正・公平性が保たれるという考え方によります。
「モノが欲しい」という現場が,そのまま調達に関わったとしたら,現場の好き放題の調達ができてしまいます。税金を節約するとか,複数の関係者から意見を聞くとか,そういった現場を離れた目があることによって,チェックができるのです。そのような趣旨をねじ曲げて,一担当者の判断で勝手にその仕組みを変えることはできないことになっています。
N)では現場の意見はどのように仕様書に反映されるのですか。
桑田)専門的なことについて,契約係から意見を求められれば,当然,現場からも専門家として協力をします。それをとりまとめて,先ほど申し上げたようなチェックを行い,仕様書の形にするのが彼らの仕事なのです。
現場から意見を出す際に,仕様書とほぼ同じ書式の文書としてまとめることが多いのですが,それは契約係の手間を減らすために行っているだけであって,仕様書そのものではなく,あくまでも案にすぎません。
よって,現場側はあくまでも協力者であって,「任された=責任を追う」立場にないということです。
桑田)たとえば民間企業の例で考えてみましょうか。
  • Nさんが会社勤めをしているとします。
  • ある日,社長命令で,あるライバル会社X社の動向調査を命じられた。
  • しかしX社の業務内容は非常に複雑でNさんは理解できなかった。
  • そこで,X社に知り合いがいる会社の同僚Yさんに調査協力を依頼した。
  • Nさんから依頼を受けたYさんはX社の知り合いを通じて情報を入手し,それをNさんに報告した。
  • Nさんは,その内容を信じて社長に報告書を提出した。
  • 実は報告内容に重大な誤りがあった。
  • Nさんは社長に呼び出され,こっぴどくしかられた。
このようなとき,Nさんは,
Yさんに任せていたので,報告書の内容については関知しない
と言い訳できますか?
できないですよね。社長は,きっとこう言うでしょう。
私は,Yさんではなく,Nさんに業務をお願いしたのですよ。
N)では,誰かの許可があれば,正式に,現場に「任せる」ことはできるのですか?
桑田)とても重要な質問ですね。国循の調達業務は,最高責任者である理事長の名の下に行われています。理事長は,上の例でいう「社長」にあたります。契約係は,理事長の命を受けて,調達に関する業務を独占的に行っている部署です。
しかし,例えば調達内容が専門的であるとか,仕様書が膨大になるなどの理由で,とても契約係の手に負えない,という場合には,所定の手続きにより,契約係以外の組織に仕様書の作成業務を「任せる」ことができます。そのときにも,入札の公平・公正を守るということが重要ですから,ちゃんとした決まりごとがあるのです。
N)なるほど,手続きを踏めば,「任せる」ことができる,というわけですね。
桑田)そのとおりです。それをせずに,勝手に「任せた」と言うのは職務放棄です。現場としても「任された」つもりはないので,とても困ることなんです。上の例でいえば,Nさんから協力依頼を受けたYさんが,社長から怒られたら困るでしょうね。
しかし,かりに「社長」が,Yさんに対して,「Nさん一人では重荷だから,Yさん,あなたも担当するように」と言っていたとしたら? これは例ですが,そういう手続きがあったら話は違ってきますよね。
 
N)では、先日の公判の際の「現場に任せていた」という西田氏の場合も、そのような手続きをして、桑田さんに任せておられたのですか? 
桑田)いえ,私の認識では,そのような手続きはありませんでした。しかし,前回の公判で,西田氏は,自信をもって『任せた』と証言しておられましたので,次回公判時以降には,彼が具体的にどのような手続きを取ったのかが明らかになると思います。
N)そうなのですね。公判を傍聴している限りでは、専門的なものの仕様書は現場である程度作成するように聞こえましたし、だから今回問題になっている仕様書も、桑田さんが作ることになったのか、単純に思いました。
でも、桑田さんに任せるとしたら所定の手続きがあったかどうかでも、責任の所在は変わってくる、大切な部分ですね。
次回公判では、私もその辺をしっかりと聞いてみたいと思います。
 
今回の振り返りでは、前回第2回の公判の中でも執拗に繰り返された質問の中から「仕様書は誰が作成するのか」「専門的なものの仕様書は、事務方ではわかりかねるので」という、西田氏の初編の部分について、傍聴したNが気になったことを再度確認する形になりました。
初公判もそうでしたが、何度も同じ質問が繰り返される中で、よく聞いていないと混乱することがあります。
独特の進め方なのかもしれませんが、惑わされることなく、しっかりと聞いて行きたいと思います。