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国循サザン事件―0.1%の真実―

国循官製談合事件の容疑者として起訴された桑田成規さんを支援します

第28回公判傍聴緑 反対質問その1

国循サザン事件-0.1%の真実-無罪を訴える桑田成規さんを支援する会Nです。

2017年7月10日13時30分〜17時00分、大阪地方裁判所第603号法廷にて、国循官製談合事件(「国循サザン事件」)の第28回公判が行われました。

この傍聴録は、逮捕起訴された桑田さんを支援する会として動いているNが、第28回公判の様子や感想を傍聴した本人としてアップしています。

※第11回より更新が滞っており、ご迷惑をおかけいたしております。順次遡りましてアップしてまいりますので、今しばらくお待ちください。

Twitterではなるべくリアルタイムに投稿しております

国循官製談合事件の冤罪被害者を支援する会 (@southerncase) | Twitter

第28回公判の様子

  • 裁判官 西野吾一裁判長他2人
  • 桑田さんの弁護士 2人
  • 高橋さんの弁護士 2人
  • 検察官 2人
  • 報道関係 2人
  • 傍聴者 約15人

桑田さん 検察からの被告人質問(反対質問)始まる

今回と次回は、公判の山場とも言える検察からの反対質問が行われる期日です。

第1回公判から1年3ヶ月。逮捕起訴から2年半以上経過した今、検察の描いたストーリーに沿って行われるであろう検察官からの被告人質問は、どのような内容となるのか?

これまでにも増して、開廷前の法廷内の空気は張り詰めていたように思います。

国循事務方の事情

13時30分の開廷後、まずは前回に続いて高橋さんへの弁護側の主質問から始まりました。

桑田さんの弁護人である高見弁護士・我妻弁護士から高橋さんへ、H24年度入札とH25年度入札において、仕様書の内容に変更点はあったのか、発注者側と受注者側で一緒に食事をするようなことはあるのかなどの質問が行われました。

印象に残ったのは、

我妻弁護士 第27回の公判でも答えておられたのですが、発注者側の事務方から「だれか他に入札参加者を連れてきてほしい」と直接頼まれるのは国循が初めてと言われました。ダンテック社にとって、入札参加者を連れてくるメリットはありますか?

高橋さん ありません

我妻弁護士 では、デメリットはありますか?

高橋さん 入札参加者を探すために、多少なりとも自社のワークに影響することもありますし、やる気がないのにお願いして参加していただくことになると、その業者さんに「借り」を作ってしまうことにもなります。

我妻弁護士 それでも断れないのですか?

高橋さん やはりお客様(発注者側である国循)に悪い印象は与えたくないですから

我妻弁護士 なぜ(国循の事務方は)他の業者を連れてきてくださいと言うのでしょうか  

高橋さん 入札に参加するのが1社だけだと、国循内で手続きが煩雑になるからということだったと思います

H25年度入札では、第1交渉権を取得したシステムスクエアとの入札交渉は不調となり、その後も第2交渉権を持っていたダンテック社との交渉は行わず、新たな入札(公募型企画競争入札)を行うことになりました。

その前後の時期に、別の入札に関して、国循の当時の事務方であった山代さん(契約係長)から、ダンテック社員の澤田さんに対して

1回目の入札を不調にするので、2回目の入札で札を入れてください

との依頼があり、高橋さんは、澤田さんから

山代さんより、入札予定額も聞いていますので(その金額よりも高い額で提示し、1回目の入札を不調に終わらせるため)

とメールで報告を受けたとのこと。

高橋さんは、このことについて

おそらくその入札が1者応札であったのだろうと思いますが、そのときに1回の入札で決まってしまうと、事務手続きが面倒になるということかなと思いました

と証言しました。

結局、国循からのダンテック社への不可解な依頼も、すべては

政府から国の機関に対し「一者応札を避けるべし」というプレッシャーがかかっていること

もし一者応札があれば,それ以降,この委員会に関係するさまざまな手続きや報告が必要となり,これらの委員会と深く関わる調達企画室にとって,面倒なことになる 

など、国循の事務方の「手続きが面倒だから」、それを避けるための

事務方の身勝手な依頼

だったのではないか?と、思えてなりません。

検察と実際の認識の違い

 

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検察からは、公訴事実1の

2012年度の一般競争入札において,NECが競争参加資格審査のために提出していた運用支援業務従事者数等が記載された書面を,電子メールにてダンテック高橋氏に送信し,NECの体制を教えた。

とされる内容についての質問から始まりました。

この件については、これまでの証人が、さまざまな立場から証言をしてこられました。

今回検察からは、

  • 現行の業務体制を欲しいというのは、誰から依頼されたのか
  • 誰が机(桑田さんの)に置いたのか
  • なぜ(誰が送ったか)確認しなかったのか

について、執拗に質問が繰り返されました。

おさらいすると

  • 現行の業務体制表をいただけないかと問い合わせたのは、新規で入札に参入する予定だったダンテック社の高橋さん
  • 2012年度の一般入札前までは、国循内のシステムに関しては長年NECが一社独占状態であった
  • ダンテック社が新規で入札に参加するにあたり、落札後に滞りなく業務を遂行するためには、現行の情報を知ることが必要であった(どのようなスキルレベルの人が何人くらい必要になるのか他)
  • 入札に参加し、落札するために必要な情報は仕様書の内容だけでは不十分であり、事前に国循の現場に出向きヒアリングをすることは必須となる

このような経緯から、高橋さんは桑田さんにNECの現行の業務体制表をいただけませんか?と依頼しています(実際には高橋さんは「体制表」を求めたのではなく、「運用員のSEのスキルレベルが知りたい」とのこと)。

桑田さんは自身の机に置かれた業務体制表を高橋さんにメールで送ったわけですが、その業務体制表が「現行のもの(2011年度)」ではなく「NECが競争参加資格審査のために提出していた次年度(2012年度)の業務体制表だった」ということで、検察は

桑田さんが故意にNECが競争参加資格審査のために提出していた運用支援業務従事者数等が記載された書面を,電子メールにてダンテック高橋氏に送信し,ダンテック社が入札に関して有利になるように不正を働いた

としているのです。

これは

業務体制表から、入札予定額を算出できる

という検察側の想定に基づくもののようですが、これまで何人もの証人が

その業務体制表を見たとしても、何人で業務を行うのかということはわかっても、その人たちの技術レベルも担当も、何もわからない。ましてや、その業務体制表だけで入札予定額を算出するのは不可能

と証言しています。

しかも、もしも検察側の想定通り業務体制表が入札予定額の決定を左右する重要なものであったとしたら、当時の調達企画室の責任者であった西田氏の行動はどう考えるのでしょうか。

  • 2011年度入札以前は、仕様書に業務体制人数の記載はなかったが、当時調達企画室の責任者であった西田氏が提案し、2012年度の入札仕様書からは業務体制人数が明記されることとなった
  • 2012年度入札に関する仕様書に記載された業務体制人数は、NECから提出された現行の業務体制表に基づけば9人であったところを、作業量がこれまでと比べて増える見込みはなかったにも関わらず、西田氏の判断で12人と記載されていた 

 この矛盾については、こちらの八田隆氏のブログで的確に解説をされていますので、ぜひ読んでみてください。

#検察なう (536) 「初公判傍聴記 巨悪を眠らせる特捜~国循官製談合事件、いわゆる「国循サザン事件」(2)」 4/28/2016 - 「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

 

これまでに「業務体制表を見せることはなんら問題はない」と証言されていても、検察は執拗にそのことについて質問を繰り返します。

  • なぜ依頼があったことを契約係にすぐに報告しなかったのか
  • 高橋さんに送った業務体制表を入手したのはいつか
  • 入札当日の朝、机の上に置いてあったファイル(高橋さんに送った業務体制表)は「誰が」置いたのか確認しなかったのか
  • 業務体制表を見て、入札の資料と同じとは思わなかったのか

他にも

  • 公平・公正の観点から現行の業務体制表を送るのであれば、それを見ても詳しい内容(スキルレベルなど)がわからないものを送っても意味がないとは思わなかったのか
  • 机の上に誰が置いたのか気にならなかったのか
  • 置いてくれた人の見当がついていたのなら、その人に「受け取りました」とか「ありがとうございました」と連絡はしなかったのか

など、2012年3月19日に行われた入札当日の朝のことについて質問を繰り返しました。

検察の聞き方に疑問
入札に関する責任は調達企画室にあるはずなのに・・・

検察の描いているストーリーは、桑田さんがダンテック社とのそれまでの関係から、2011年度入札においてダンテック社に様々な便宜を図り、落札させたというもの。

なので、入札予定価格を算出するために重要となる現行業者の業務体制表を入手し、独自の判断で高橋さんにメールで送った、ということのようですが、送った業務体制表については、先の説明の通り、それを見ても何らわかる内容ではないものでした。

そして「独自の判断で」というところ。

それは、「ダンテック社が有利になるように便宜を図った」ということを成り立たたせるためにも、桑田さんが自分が情報統括部長であるという地位を利用し、独断で行ったとしたいのでしょう。

しかし、この事件には、根本的に間違っていることがあるのです。

今回の公判の中で、桑田さんも何度も訴えましたが

国循の入札に関する一切の業務は調達企画室の所掌業務であり、その責任者は桑田さんではない

桑田さんは情報統括部長であり、現場の責任者

ということです。

そして、検察官の質問の仕方にも特徴があり

入札に関する窓口が契約係であり自分の仕事ではないのであれば、高橋さんが桑田さんに依頼してきても、契約係に聞くようにアドバイスしようとは思わなかったのか

送った業務体制表が不十分なものであれば、作り直してきちんとした情報を提供しようとは思わなかったのか 

高橋さんにとって入札に必要と思われる資料を、入札の当日ぎりぎりになって高橋さんにメールをしたのだから、メールしたあとに電話などして確認しようと思わなかったのか

と、その時「思ったか思わなかったか」という聞き方を多用します。

検察は、「◎◎のような事実があったのだったら、当然△△したはず」という論理から逆算して、「当時△△をしなかったのであれば、◎◎という事実もなかった(=◎◎という事実があると供述した桑田さんは嘘をついている)」ということを導き出したいようです*1

検察は「当時の記憶」「そのとき(当時)の朝、なぜ◎◎をしなかったのか」「その時思わなかったのか」と、5年も前の、しかも「この時間」とか「この瞬間」というようなことを質問してくるのですが、そんなことをきっちりと覚えている人はいるのでしょうか?

しかも、意識せずに生活していた内容についてですから、日々の生活の通過点にしかすぎないわけです。

もし、意図的に、計画的にその行動をおこなったのであれば「その時のこと」を詳細に記憶していてもおかしくありません。

でも、桑田さんは全くの意識もしていないし、日常の一コマの5年も前のことや、その時どのように感じたかなんて、わからなくて当然ではありませんか?

また、検察は自分たちの見立て、ストーリーを成立させるために、そのストーリーの成立に向けてジリジリと詰め寄ってきます。

「思ったか・思わなかったか」の二択で詰め寄り、最終的には「思った」と答えても「思わなかった」と答えても、「供述に矛盾あり、よって供述に信用性なし」と言おうとしているようにに聞こえます(「思った」のだったら、なぜそこれを行動しなかったのか?という矛盾、「思わなかった」のだったら、そもそもの前提事実で嘘をついているという矛盾)。

そして、どちらを答えても、検察側の思惑通りに解釈し、それを持って有罪立証の材料にしてしまうのでしょう。

これらの繰り返しの中で、桑田さんは

資料だけがポンと机に置かれているのは日常的によくある

窓口である契約係ではなく現場に直接質問が来て、公正・公平性の観点から入札に差し支えのない範囲で現場から直接答えることはよくある

入札公告後、入札前の期間に、参加予定業者が現場にヒアリングに来て対応することはよくある

私は自分の手元にある資料のうち問題ないものであれば提供しようという気持ちであった

手元にあった現行業務体制図には明らかな不備があり、それを直してもらうのは当然のこととして担当の契約係に依頼していたものである

窓口を通さずに問合せをしてきた高橋さんのために、別の担当者(原口氏)にわざわざ作り直してもらうほどのことをする必要はなく、「ありものの(=現存する)資料」で間に合わせれば十分と思っていた

と、「したこと・しなかったこと」の根拠を明確に答えていて、当時の桑田さんの行動は決して矛盾あるものではなかったと思えるものでした。

桑田さんが、静かに、しかし決してそのような検察の思惑にはなびかないという決意を持って答えていることは、傍聴席にも伝わってきました。

検察の描く99.9%の作られた真実を打ち消すために必要なこと

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傍聴席で傍聴しながら、今回の検察側の反対質問は、これまでの証人への質問の仕方とは明らかに違っていることがわかりました。

そして、これほどまでに「決めつけ」の中で進められるのかということにも、驚きました。

検事の一人は「もしあなたの言っていることが本当だとして」と、何度も前置きをしました。要するに「桑田さんが嘘を言っている」ということが前提なわけですよね。

もちろん、桑田さんは被告人とされてしまったわけですから、検察から見れば「罪を犯す悪いやつ」「信じられるはずがない」と。

身に覚えのないことで突然逮捕され、起訴され、生活や人間関係の様々なことを奪われた中で検察に向き合う、そのような事態は誰にでも起こる可能性があります。このようなとき、誰しも冷静な判断ができない状況になるのが普通だと思います。

今回、次回の反対尋問では、そのような絶対的に不利な状況の中でも、検察の誘導に屈することなく質問を瞬時に、的確に理解し答える高度なスキルが、被告人となってしまった桑田さんには要求されるのだと思いました。

 

第28回公判は13時半〜17時まで、長時間にわたって行われましたので、公判については、後日アップいたします。

 

 

桑田さんの「H23年度の体制表だと思った」ということに関しては、ご自身のブログをご覧になってください。

 

次回は7月26日(水)13時30分から大阪地裁にて第29回公判が行われます。

 

 

どうぞ一人でも多くの方に関心を持っていただき、歪められた司法の力に立ち向かう桑田さんを一緒に応援していただけないでしょうか。

傍聴に来ていただけることはもちろんですが、ブログへのコメント、Facebookページへのコメントやメッセージも、非常に励まされます。

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桑田さんを支援する会では、桑田さんの冤罪をはらすべく動いています。

公判を傍聴するたびに、0.1%を証明する真実が見えてきます。

ぜひご一緒に、その真実を確かめてください。

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*1:論理学において、「AならばB」が成り立つのであれば、その対偶である「BでないならばAでない」も成り立つ。